遺言書作成のポイント

遺族間の相続争いを防ぐ遺言

故人の遺産をめぐり、家族や親族が争う「相続」ならぬ「争族」が増えてきています。なぜかというと、昔は長男が家や財産を継いでいたのが、戦後は「兄弟姉妹は平等」という意識が浸透し、各人が財産を要求するようになったためです。遺言は、そのような争いを避けるのに有効となります。法律が定める法定相続分できっちり分けることもできますが、相続人が複数いる場合は、それぞれの言い分があり、なかなか収集がつかなくなることが少なくありません。そこで財産の持ち主である被相続人の意思で書かれた遺言があり、理にかなったものなら、相続人も比較的受け入れやすくなるものです。また、「献身的に介護をしてくれた長男の嫁」や「内縁の妻」など、法定相続人に当てはまらない人にも遺言で遺産を分けるように書くことで遺贈することができます。

争いの火種にならない良い遺言とは?

遺族の1人だけに有利だったり、予想もしなかった人物に遺贈したりすると、他の相続人の気持ちに疑いが沸くことも考えられます。争いを避けるには、相続人の遺留分を配慮した分与を心掛け、相続分に違いをつけたならその理由を明記することをおすすめします。また、せっかく良い遺言を残しても遺言の形式が守られていないと無効になってしまうので、きちんと基本をおさえ、作成する必要があります。

遺言を残しておいた方が良いケース

法定相続では相続分がない人や相続分が少ない人へ贈与したい時などは、遺言できちんと意思を伝えるようにしておかないと、その想いを実現することができませんので注意が必要です。
◆財産を指定して贈与する特定遺贈
◆実子と内縁の妻に遺産を譲りたい
◆遺産分割を禁止する
◆子を認知する
◆相続人がいないので寄付したい
◆面倒をみてくれた長男の嫁に遺贈したい
◆相続人の廃除をしたい
◆妻の世話を頼みたい
◆未成年の子供がいる
◆祭祀財産の承継者を指定する
◆相続人が多い
◆兄弟姉妹の仲が悪い
◆自営業者や農家である
◆自宅以外に分ける財産が無い
◆行方不明の相続人がいる
◆先妻後妻ともに子供がいる
◆遺産内容を把握している相続人がいない

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