成年後見について

成年後見とは

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する締結を結んだり、遺産分割協議をして、不利益を被らないように、家庭裁判所に申し立てを行い、保護、支援する制度です。

次のような方に後見制度が利用されています。

「高齢になったため、金銭や不動産などの財産管理に自信が無くなってきた」
「夫(または妻)に先立たれ、子供もいないし、頼りになる親戚も存在しないので、自分が認知症等になった際に、施設の入所や財産管理などの手続きを頼める人がいない」
「体が弱ってきた親と同居して面倒を看ながら財産管理をしてきたが、他の兄弟姉妹から財産管理について疑われている」
「最近、気が弱くなり、必要もないリフォームや高額な商品を断りきれず購入してしまっている」
「認知症の親が悪徳商法にだまされたり、印鑑や通帳を紛失しないか心配」
「知的障害を持つ子供の将来が心配」等

成年被後見人と成年後見人とは?

精神上の障害により判断力が充分でない方を成年被後見人と言います。そして成年被後見人をサポートする人を後見人と言います。

成年後見人の仕事とは?

成年後見人の仕事には、大きく分けて財産管理と身上監護の2つがあります。

財産管理 1.現金、預貯金、不動産等の財産管理(本人の居住用不動産を処分するには家庭裁判所の許可が必要となります。)
2.収入・支出の管理
3.確定申告や納税など
身上監護 1.施設との契約、医療に関する契約
2.介護に関する契約(現実の介護行為は含まれません)

そして、家庭裁判所への報告です。
報告は通常年1回ほどですが、本人に関して重大な変化をもたらすような事があったときは、その都度報告となります。

後見人の候補者とは?

被後見人の子どもや兄弟姉妹がなる場合もありますし、専門職後見人として司法書士、弁護士、社会福祉士等の専門家が後見人になる場合も多々あります。このように、第三者が成年後見人に選任されるケースは次のようなことが考えられます。

①身寄りがいない場合や、いたとしても親族が成年後見人になれないと言っている場合
②親族間に紛争を抱えている場合
③本人の財産(預金)を親族が勝手に使っている場合
④その他、複雑で難しい法的問題を抱えている場合

司法書士などの専門家が後見人に就任した場合は、裁判所との連絡もスムーズになり、後見業務も効率的に行えるなど、後見人になられる方の負担を軽減することができます。
報酬として費用はかかりますが、司法書士が成年後見人に就任した場合、報酬は裁判所が本人の資産額や後見人の業務量に応じて決定するので安心です。