遺言を作成したい方

なぜ、遺言が必要か?

相続の目的は、財産を分けることだけではありません。相続をきっかけとして、亡くなった人の財産や意思をいい形で継承することでもあります。 
いざ相続になった時、身内の縁が切れてしまうほどもめてしまっては、相続の価値がありません。なぜ遺言書を書くのか?相続人全員での遺産分割協議をしなくてもよくなるからです。ここにすべてが集約されます。遺産分割協議をすることが、もめる相続の始まりだからです。

「私には遺言しておくほどの遺産はない」
「私の家族は皆仲が良いから、遺言がなくても大丈夫」
「特に希望はないし、法律の規定どおりに、分けてくれればよい」

などという理由から遺言しないで おくケースもよくみられます。しかし、遺言がないと、遺産分割などの手続きに時間がかかることがあります。いくら家族の仲が良いからといっても、相続人の配偶者や子などの思惑もからんで相続人同士で争いになることも多いのです。相続財産の中には、不動産などのように換金が困難なものもあり、法定相続分に従って分けるには難しいケースも出てきます。
このように遺言がない場合に相続について争いが生じた時は、裁判所の判断に委ねるしかありません。(家庭裁判所で行われた遺産分割調停のうち、実に約75%が相続財産5000万円以下の案件です。)そうなれば、時間もかかり、裁判費用など余計な支出もかかってしまします。また、相続手続に時間がかかれば、すぐに、被相続人の預貯金の払い戻しを受けることもできないため、それを葬儀費用や生前の入院費用などの支払いにあてることもできません。

相続では、もめないことが最優先です。もめないためには、遺言書を書くことです。

サポート料金

1.遺言書作成サポート(自筆証書) 58,000円~
2.遺言書作成サポート(公正証書) 68,000円~
3.証人立会い           10,000円/名
※公正証書遺言の場合、当事務所の報酬と別に公証人役場の手数料が必要になります。
4.遺言執行費用 遺産額5,000万円以下の部分  1,0%~
※遺産額に関わらず、報酬は最低30万円からとなります。

Q & A

1.自筆証書遺言とはどういうものですか?
 遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自書し、これに押印することによって、完成させる遺言のことです。その内容は必ず自書しなければならないため、パソコンなどによって作成されたものは無効となります。また、自筆証書の中に、加除したり、変更したりした部分があるときは、その場所を指示し、変更した旨を付記して署名し、変更した箇所に押印しなければ無効となります。
2.公正証書遺言とはどういうものですか?
 遺言者が公証人の前で遺言の内容を口頭で(※遺言者が話すことができない場合は、手話通訳人の通訳、自書など)で述べ、公証人がそれをもとにして法律で定められた方式に従って作成する遺言のことです。この方法で遺言するには、証人として2人以上が必ず立ち会わなければなりません。
3.秘密証書遺言とはどういうものですか?
 遺言の内容を秘密にしておきたいというときに用いられる方式です。遺言者は遺言書に署名押印し、それを封筒に入れて封じ、遺言書におした印でこれに封印します。これを公証役場に持っていき、公証人と証人2人の前に封書を提出し、自分の遺言書である旨とその筆者の氏名住所を申述します。
公証人は、その遺言書を提出した日付と遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者と証人とともにこれに署名押印して完成となります。
この場合、遺言書は、自筆でもパソコンで作成したものでも、第三者が書いたものでもかまいません。上記の手続きを終えた後、遺言者が遺言書を持ち帰ります。その内容は誰も見てないため、後で読んだときに不明確なところがあったり、遺言書自体を紛失してしまったりすることもあります。
4.自筆証書遺言のメリット・デメリットは何ですか?
 メリット:誰にも知られずにいつでも自由に作成・修正が出来る点が挙げられます。気軽に書いたり、書き直せたりすることができることです。
 デメリット:法定の形式が整っていないがために無効となったり、内容が不明確なためその解釈で争いがおきたりと、死後相続人間でトラブルがおきやすいことです。
また、保管場所の問題があり、せっかく書いたのに発見されなかったり、他の相続人に偽造・隠匿されやすいという不安もあります。以上のメリット・デメリットをふまえ、遺言は公正証書で作成することを強くお薦めします。
5.公正証書遺言のメリット・デメリットは何ですか?
 メリット:公証人という法律の専門家が関与して作成するため、遺言書に間違いなどによるリスクが少なく、後で無効とされることがないので安心です。また、公正証書遺言は、原本を公証役場が保存するため、紛失などの心配がありません。
デメリット:遺言書作成に公証人手数料など費用がかかることです。
6.「遺言」によって」、どのようなことができますか」?
 ①相続に関すること、②財産の処分に関すること、③身分に関すること、④「遺言の執行」に関すること、などについて遺言することができます。
7.遺言はいつから効力が発生しますか?
 遺言者の「死亡の時」から、効力を生じます。
8.遺言は誰でもできるのですか?
 満15歳以上の人は誰でも遺言することができますが、自分の行為の結果を判断できる能力(=意思能力)がなければなりません。精神上の障害があるために判断能力がない人の場合、有効な遺言をすることができません。
9.自筆証書遺言を作成する時の注意点は?
 遺言者が①遺言の内容、②遺言の年月日、③遺言者の氏名を自書し、④押印しなければなりません。これらのものを一つでも欠いた場合、遺言としての効力は認められません。
10.自筆証書遺言はワープロやパソコンで作成してもいいですか?
 自筆証書遺言を作成しようとする場合には必ず遺言書の全文を手書きで書かなければなりません。手書きをせずに、ワープロやパソコンで作成した遺言は効力がありません。
11.遺言者が音声で録音、ビデオで収録したものは、遺言として有効ですか?
 録音やビデオで収録した遺言は、法律で定められた方式に反し、効力が生じません。
12.夫婦が、同時に一つの書面で遺言することはできますか?
 できません。遺言は一人ひとりが別々に書面で行わなければなりません。したがって、夫婦であっても、同時に一つの書面で遺言することはできません。
13.「成年被後見人」は、遺言することはできますか?
 通常、遺言することできません。しかし、遺言の際に判断能力を回復し、遺言する能力があるときは、判断能力を回復していることを認める医師2人以上の立会いのもとで行うことができます。
14.病院に入院している人は遺言することができますか?
 病院に入院している人でも字を書ける状態であれば、自筆証書遺言をすることができます。また、病気のために字が書けない状態であっても、公証人に遺言の内容を伝えることができる人は、公正証書遺言をすることができます。
15.「遺言」に関して、「変更」「撤回」を行うことはできますか?
 遺言者が遺言能力を有している限り、いつでも行うことができます。
16.「遺留分」とは、どのようなものですか?
 「一定相続人」のために、法律上、必ず残しておかなければならない相続財産の一定の割合の事です。生前贈与や遺言など、被相続人の意思によっても、この遺留分を損害することはできません。
17.遺言書は、どのように保管すればよいですか?
 遺言者が死亡したときに、遺言書のあることが遺族にすぐにわかる場所にしまっておくか、遺言執行者などに預けておくとよいでしょう。
18、「念書」は遺言として有効ですか?
 遺言の法定の方式に従って作成された遺言書だけが、遺言として有効です。「私が死んだら自宅の土地・建物を長男に譲る」という趣旨の「念書」が、遺言の法定の形式に従って作られた場合は、遺言の効力が認められることもあります。そうでない限り、遺言の効力が認められることはありません。

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