遺言あれこれ④

こんにちは。司法書士の三輪です。

今日は相続が開始し、遺言書がない場合のお話しです。

相続発生し、四十九日法要が終わったあたりから故人の財産をどうしようかと相続人間でざわざわしてきます。相続が発生した直後は、葬儀の件や各所への連絡、悲しみ、精神的ショックで遺産相続の件などは考える余裕がありませんが、四十九日法要が終わる辺りで一旦落ち着きますので、相続権がある人の親族も含めざわざわします。

遺言書がなく、故人に預貯金や土地などの資産がある場合は、その分け方を決める遺産分割協議を相続人全員でしなければなりません。 「遺産分割協議」は相続全員が納得しないと成立しません。 これが大変なんです。 修羅場になるケースもよくあります。

例えば、遺産が現金のみの場合であれば、法定相続分といい法律で決められて割合で分けることが考えられます。相続人2人であれば半分づつ。しかし、このシンプルなケースでも充分に揉める要素はあります。1人の相続人が金銭的な援助を受けていた場合や、故人の介護に多額の私費を投じていた場合です。

金銭的な援助を受けてこなかった側、介護に多額の私費を投じていた側からすれば、半分づつですんなり納得できるかどうかです。逆側からすれば、故人が勝手に援助してくれたとか、故人の年金を介護費用に充てていたのではないかと言う事も考えられます。

シンプルな現金のみの遺産分割協議でも、これだけ思惑が働きます。簡単に分けることができない不動産だったらもっと大変です。

遺言は強いですね。

次回はもう少し複雑なケースを紹介させていただきます。

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