司法書士 三輪直也のブログ

相続の限定承認について②

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、限定承認の続きとなります。

限定承認の手続きについてです。

限定承認をしようとする相続人は、相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に、相続財産の目録を作成し、家庭裁判所に提出し、
「限定承認する旨の申述」をしなければなりません。

しかも、共同相続人が複数いる場合は、相続人の全員が共同で行わなければなりません。
この点が「相続の放棄」との違いですね。相続放棄は相続人が格別に行うことができますが、相続の限定承認は相続人全員で共同して行う必要があるのです。

そして、限定承認の効果は、借金が多くても相続する財産の範囲内で弁済すればよいのです。

相続の限定承認について➀

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、 「相続の限定承認」についです。
聞きなれない言葉だと思います。しかし、法律が用意した便利な手続きなんです。

例えば、亡くなられた方の相続人があなた1人だと仮定します。
相続人は、亡くなられた方の財産の一切の権利義務を承継し、原則として、「積極財産」や「消極財産」のすべてを相続します。

この時、消極財産つまり、借金が積極財産より明きあらかに多ければ、相続放棄の手続きをし、相続人ではなかったことにすればいいです。
しかし、仮に相続財産、つまり、積極財産と消極財産の借金がいくらあるかわからない場合に、「相続の限定承認」の制度を利用します。

「相続の限定承認」をすると、積極財産を承継した限度において、借金を負担すればよいことになります。

つまり、限定承認をした相続人は、被相続人の消極財産が多かった場合でも、自己の財産で亡くなられて方の借金を弁済する必要はありません。
借金がいくらあるか分からない方には、大変便利な手続きですよ。

相続放棄について③

こんにちは。司法書士の三輪です。

子供を連れてアンパンマンミュージアムに行ってきました。今の親は昔と違い、子供にかけるお金が多いと聞いておりましたが間違いありませんでした。

子供に欲しいと思わせてしまう戦略、見事です。需要と供給が見事にはまっておりました。私もあれやこれやとお土産を買ってしまいました。恐るべしアンパンマン!

さて、本日も相続放棄手続きの続きです。

相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申立てをし、受理されると放棄が認められます。相続放棄が認められると、その相続人は「最初から相続人でなかった」とされます。

では、相続人でなかった事になるのなら、次は誰が相続人になるの?というところですが、民法には、相続順位なるものが定められております。第1順位相続人、第2順位相続人、第3順位相続人と。

父親、母親、子供二人のケースで、父親が亡くなられた場合、第1順位相続人は母親と子供の2人です。この第1順位相続人の相続放棄が家庭裁判所で認められますと、次の相続人は第2順位相続人になります。このケースでいきますと、父親の両親が第2順位相続人です。

このように、相続放棄をしたことによって、今まで相続人でなかった人がいつの間にか相続人になってしまうという事態が生じます。

多くの負債を残したまま死亡した場合、配偶者はもとより、子、親、兄弟姉妹のすべてが相続放棄を行なう必要がでてきます。

また子や兄弟姉妹が既に死亡している場合は、その子も相続人となりますので注意が必要です。

相続放棄の手続きは親族すべてにかかわってくる手続きとなりますので、細心の注意が必要です。

相続放棄について②

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日も引き続き相続放棄に関する件です。

相続放棄について大事な点は、やはり期間です。すごく大事です。

相続放棄の手続きは、家庭裁判所で行いますが、相続が開始したことを知ってから3ヶ月以内に手続きを行わなければなりません。

「相続が開始したことを知ってから」とは、一般的にはお葬式です。同居の親族の方が亡くなられた場合だと亡くなられてた日。遠い親戚が亡くなられて、1年後に亡くなられた事を知り、しかも自分がその方の相続人であることが分かった場合は、その知った日から3ヶ月です。

自分に相続権があることを認識して3ヵ月以上経過してから、莫大な借金があることが分かった場合などは、この「3ヶ月」にとらわれることなく各相続人の諸事情が考慮されます。

とにかく相続放棄は期間が重要になってきます。

 

 

 

 

相続放棄について➀

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日はこれまたよくご質問いただく「相続放棄」についてです。

まずは「相続」とは、亡くなられて方の財産・負債その他一切の権利義務が死亡と同時に相続人に自動的に承継される事です。

相続放棄とは、亡くなられた方の財産・負債その他一切の権利義務を自らの意思に基づいて承継しない事です。分かり易く言いますと、借金も相続しませんし、土地も建物も預金も現金も相続しません。なーんにも要りません。という意思表示です。

つまり、相続放棄をした相続人は、最初から相続人とならなかったものとみなされます。

通常は、相続人が亡くなられた方の遺産をリストアップし、そこでもし負債の方が大きく、遺産を相続するメリットがなければ、相続を放棄するという選択をすることになります。

また、例えば相続人が長男と次男の場合、長男だけが相続放棄する事もできます。相続放棄するかどうかは、各相続人が選択でき、長男が相続放棄すれば、次男だけが初めから相続人だった事になります。

相続放棄手続きも法で定めれていますので、次回お話しさせていただきます。

土地や建物を共有するということ

こんにちは。司法書士の三輪です。

日が落ちるのが早くなりましたね。秋を感じます。

さて、本日も悩まし問題についてです。

不動産を兄弟と共有して所有することです。親の相続が発生し、相続人が長男と長女の2人のみの場合、とりあえず権利は半分づつだから、あまり深く考えずに各1/2の共有で相続しておきましょう。といった具合に不動産の共有状態というのは、相続を機に発生する事が非常に多いです。

この共有状態で、長男が亡くなった場合、長男に妻と子供がいれば単純にいけば、長女と亡長男の妻とその子供の3人の共有となります。この状態が続き、長女が亡くなれば、長女に夫と子供がいればこの不動産は亡長男の妻とその子供、亡長女の夫とその子供の4人の共有となります。

この不動産を売ろうにも、4人全員の同意が必要です。共有状態を解消するには、共有の持分を買取る、贈与を受ける必要がありますが、買取るにもまとまったお金が必要でしょうし、贈与を受けるにも贈与税を支払わなければいけません。

不動産などの分けにくい財産がある場合には、生前に相続人間でよく話し合い、特定の相続人の単独所有にし、他の相続人には預金を渡す、または生前に分筆できる不動産であれば分筆しておく、または、遺言に不動産を売却して、売却代金を分けるように書くなど対策はいくらでも打てます。

安易に共有の道を選ばないことをお勧め致します。

 

 

遺言書が遺産分割協議後に見つかった場合

こんにちは。司法書士の三輪です。

連休も最終日ですね。今年もあと3ヶ月強。あっという間ですね。

本日も先日実際に相談のあった事例です。

ご相談者は、ご主人がお亡くなりになり、相続人間で遺産分割協議が終わり財産分けが終わった後に、遺言書がでてきたとの事でした。

遺言書を見せてもらうと、自筆証書遺言で、遺言執行者の指定もありませんでした。

遺言の内容としては、「妻に全財産を相続させる」という内容です。

一方、遺産分割協議の内容としては、「一部不動産を長男が相続し、自宅、その他財産を妻が相続する」とういう内容でした。

悩ましい問題です。遺言の法的趣旨は、遺言者の最終意思表示です。この最終意思を尊重するのであれば、遺言書通りにするべきですが、相続人全員の同意が得られるならば、遺言書と異なる内容の遺産分割協議をすることも可能です。今回は相続人全員の意思を確認させていただきまして、分割協議書の内容で相続する事にしました。

また今回のケースですと、遺言執行者の指定がなかった事もポイントです。前日のブログでも書きましたが遺言執行者がいると、相続人が勝手に遺産分割協議をしても無効になります。例え相続人全員が遺言の内容と違う分割を望んでも遺言執行者はそれを拒否する事ができます。遺言執行者は遺言の確実な実現には大いに役立ちますね。

遺言と異なる内容の遺産分割協議も条件付きではありますが可能とういう事です。

遺言執行者って何?

こんにちは。司法書士の三輪です。

今年のシルバーウィークは本当に天候に恵まれてますね。私はもっぱら家族サービスです。ん・・・サービス? 間違いでした。私が逆に癒されております。

さて、本日は遺言執行者についてです。

相談者様から自筆の遺言証書をみせてもらうと、大抵遺言執行者が書かれておりません。遺言の内容が、自宅の土地・建物を相続人である妻や子供に相続させるというものですので困る事はない場合がほとんどです。

しかし、遺言の内容次第で相続人間でもめ事が予想される場合や、相続財産が不動産、預金、証券、債権、など多種に渡る場合、遺言の内容が相続人以外の方への遺贈を内容とするものの場合は、遺言執行者の指定は必須となります。

理由は、遺言執行者が単独で遺言の執行に必要な一切の行為をする事ができるからです。逆に言えば遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる一切の行為をすることができなくなります。

遺言執行者は、遺言内容実現の指揮者みたいなものなんです。遺言があるにもかかわらず、相続財産に手を付ける相続人がいた場合でも、遺言の執行を妨げる行為は一切無効になりますから、他の相続人も安心ですよね。また、相続人以外に財産をあげる遺贈の手続きなどは、相続人全員から署名・押印をもらわないといけませんが、遺言執行者がいれば遺言執行者が相続人全員から署名・押印をもらわなくても手続きができてしまいます。

遺言執行者を指定しておけば、より確実な遺言の実現ができますので遺言者も安心できると思います。当事務所では、遺言執行者への就任も承っております。第三者が遺言執行者になった方が良いケースもありますので、ご相談いただければと思います。

生命保険金は相続財産?

こんにちは。司法書士の三輪です。

娘を連れて東山動物園に行って来ましたが凄い人です。私の見た動物の半分強は寝てました。特に猛獣系はほぼ全滅。テレビで観るようなライオンが見たかったです。アフリカに行くしかないのでしょうか。。。おっと、違う違う。子供はキリンとゾウで大喜びでしたので良かったです。

さて、本日は相続の相談でよくある、生命保険金のお話しです。遺産分割協議時に亡くなられて方の生命保険の保険金は遺産分割の対象となる財産なのか、それとも受取人の固有財産となり、遺産分割の対象となる財産ではないのか?です。

➀受取人が妻など特定の相続人と指定されていたとき

保険契約の効力として受取人の固有財産に属し、相続財産にはなりません。すなわち、妻が保険金全額を保険契約の効力として取得し、その他の財産を遺産分割すればよい事になります。

②受取人が亡くなられた方自身の場合

相続財産になると言われいます。

③受取人が相続人(特定の者の指定なし)と指定されていた場合

相続人の固有財産になります。各相続人が取得する保険金の割合は、法定相続分の割合になります。

このように、保険金の受取人をどのように指定しているかによります。

外国での遺言

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こんにちは。司法書士の三輪です。
知人のハワイアンライブに行ってきました。少し心配でしたが2歳の娘も連れて行きました。が娘が一番興味深々にライブを見てました。Sさんお疲れ様です。超かっこよかったです。ハワイアンミュージックのCD買ってみます。

さて、本日はハワイ繋がりで、「日本人が外国で遺言書を作成することはできるか」についてです。

日本人が外国で日本の方式に従い作成する遺言はもちらん有効です。自筆証書遺言でも、大使館や領事館で公正証書遺言を作成する事ももちろんできます。

また、日本人が外国の地で外国の方式によって遺言を作成することもできます。しかし、注意点としまして、この遺言が有効であるかは、日本の法律である民法の遺言についての定めに違反していたら無効となってしまいまう点です。

やっぱり安心なのは、外国でも大使館や領事館での公正証書遺言ですね。