司法書士 三輪直也のブログ

相続人不存在

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は相続人不存在(=法定相続人がいないこと )の場合相続はどうなるのかについてお話します。

「特別縁故者」(=相続人ではなく、被相続人と特別な縁故があった人:例えば、被相続人と生計を同じくしていた人、被相続人の療養看護に努めた人など)がいて、財産を分与するのが相当であると家庭裁判所が判断したとき、その人に財産が分与されます。それでも財産が残った場合、その分は国庫に帰属します。

手続は次のとおりです。
➀「相続財産の法人」の成立
相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とされます。
➁「管理人」の選任・公告
家庭裁判所は、相続債権者、徴収権者等の請求により管理人を選任し、これを公告します。
⓷「相続債権者等に対する請求の申し出」の公告・催告
管理人の選任の公告後2か月以内に相続人が現れなかったとき、管理人は家庭裁判所監督のもと清算手続きに入ります。一定の期間内に請求の申し出をすべき旨を公告します。また、わかっている債権者や受遺者には各別に請求の申し出をするように勧告します。
⓸「相続人の捜索」の公告
「請求の申し出」の公告の満了後も相続人がいることが明らかでない場合、家庭裁判所は一定期間内に相続人がいるときは、その権利を主張すべき旨を公告します。
⓹「相続人の不存在」の確定
「捜索の公告」の期限までに相続人としての権利を主張する人がいないときは、相続人の不存在が確定します。
⓺「特別縁故者」への相続財産の分与
特別縁故者から相続財産の分与の請求があり、家庭裁判所が相当であると認めた場合、清算後残った財産の全部(または一部)を分与できます
⓻相続財産の国庫への帰属
特別縁故者への財産分与によって処分されなかった相続財産は最終的に国庫に帰属します。

何もなければ、最終的には国に帰属してしまいます。遺言を残すことにより有効に財産も活用していってもらいたいですね。

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後見制度支援信託

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は後見制度支援信託のお話しです。まずは、制度の説明です。

本人の財産のうち、日常生活に必要な金銭を手元預貯金として後見人が管理し、日常使用しない金銭を信託銀行に信託する仕組みです。

また、後見制度支援信託を利用すると、信託銀行に信託した財産の払戻しを受けたり、信託契約を解約するには、家庭裁判所の許可(指示)が必要となります。

家庭裁判所の運用としては、被後見人の資産、特に流動資産が1200万円以上ある方は、後見支援信託の利用を検討し、司法書士や弁護士の専門職を後見人・監督人として関与させる方向で積極的のようです。

この制度の導入背景としては、親族後見人による不正行為が後を絶たず、信託銀行に大部分の財産を預け、後見人には日常使うお金だけを管理させ、不正が起きにく体制を作りたいようです。

後見制度支援信託の対象事件は、成年後見と未成年後見のみです。また信託できる財産は金銭のみとなります。また、信託銀行での信託財産の運用によって元本割れが生じた場合は、信託銀行は元本を補てんしなくてはなりません。

今後運用件数の増大が見込まれまている制度です。専門職後見人として高い倫理観で業務を行って参ります。

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相続放棄 

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今朝の日の出

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は相続放棄についてお話します。

相続放棄とは、相続開始後に、相続人が相続しない意思を表示することです。
相続放棄をすると、その相続人は最初から相続人とならなかったものとみなされ、被相続人の財産に属した一切の権利や義務を継承しないことになります。

次に手続きについてお話します。
①相続が開始したことを知ってから3か月以内に行わなければなりません。したがって、被相続人の生前には行うことができません。
②必ず被相続人の死亡した当時の住所地を管轄する家庭裁判所に、その旨の申述書を提出して行います。
③ほかに共同相続人がいる場合でも、単独で行うことができます。
④被相続人の財産に属した一切の権利義務について、行わなければなりません。その財産の一部について行うことはできません。

➀の相続が開始したことを知ってから3ヶ月以内に行わなければならない。
についてですが、例外もあります。
裁判所はやむ得ない理由により、相続が開始したことを知ってから3ヶ月以内に相続放棄の手続きができなかった場合には、例外的に認めてくれる場合もありますので、3ヶ月経過後の相続放棄でも諦めないでください。

当事務所では、3ヶ月経過後の相続放棄にも積極的に取り組んでおります。是非ご相談ください。

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相続の単純承認と限定承認

相続の単純承認と限定承認について
こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は相続の「単純承認」と「限定承認」についてお話します。

「単純承認」とは相続人が被相続人の相続財産について、債務を含めすべてを引き継ぐことを承認し、その意思表示をすることです。たとえば、「土地や預貯金は相続するけれど、借金は相続しない」というような、一部だけの単純承認は許されません。

次のような行為も「単純承認」したとみなされます。
①相続人が相続財産の全部(または一部)を処分したとき
②相続人が、相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内に、相続の限定承認(または相続の放棄)をしなかったとき
③相続人が、相続の限定承認(または相続放棄)を行った後に、相続財産の全部(または一部)を隠したり、私的にこれを消費したり、許されないことであると知ったうえで相続財産をその目録中に記載しなかったとき

「限定承認」とは相続人が、相続により継承する財産の範囲内で、被相続人の債務や寄贈の義務を負担し、継承する財産を超える債務などの責任を負わないことを留保して、相続の承認することです。
限定承認をした相続人は、被相続人の消極財産が多かった場合でも、自己の固有財産で被相続人の債務を弁済する必要はありません。

相続財産の詳細が不明で、積極財産と消極財産のどちらが多いのかがわからない場合は「限定承認」を利用しましょう。

限定承認は相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に、相続人の全員で相続財産目録を作成し家庭裁判所に提出しなければなりません。

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遺産分割の方法

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は遺産分割の方法についてです。
遺産分割には次の3つの方法があります。
①当事者の協議による分割
共同相続人は、被相続人が遺言で遺産の分割を禁じた場合を除けば、いつでも協議して遺産の分割をすることができます。
②家庭裁判所の調停または審判による分割
共同相続人間で遺産の分割の協議が調わないときや協議することができないとき、その分割を家庭裁判所に請求することができます。
③遺言による指定分割
被相続人は、遺言によって遺産の分割方法を定めたり、これを定めることを第三者に委託したりすることができます。

次に、遺産分割のやり方についてお話します。
「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有とする方法」などがあります。

「現物分割」には、遺産に属する財産をそのまま分割する方法と個々の物をそれぞれ分割する方法(例えば土地分筆してから各相続人に分割)があり、2つの方法を組み合わせることもできます。一般的には、各相続人の年齢や職業、生活状況など様々な事情が考慮できるので「そのまま分割する」を選びます。
「代償分割」とは、共同相続人の1人(または数人)に遺産を相続させ、遺産を貰った人が他の相続人に対して債務を負担します。
「換価分割」とは、遺産となっている財産を金銭に換価し、その価格を分割する方法です。
「共有とする方法」とは、遺産の全部(または一部)を共同相続人の共有とする方法です。

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遺産分割 寄与分

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は寄与分についてです。
遺産分割時に問題になることがある点です。

寄与分は、前回の特別受益と同じく、共同相続人間の公平を図る目的で設けられた制度です。
寄与分とは、共同相続人のうち、被相続人の事業を手伝ったり、その事業に財産を供したり、被相続人の療養看護に努めるなどの貢献によって、被相続人の財産を維持・増加させることに特別の寄与をした人がいる場合の寄与した額のことです。

平たく言いますと、被相続人の資産形成に貢献した相続人に、法定相続分より多く財産を相続させましょう。という制度です。

寄与分を主張できるのは、相続人にかぎられ、内縁の妻や事実上の養子などは、どんなに貢献していたとしても、自ら寄与分を主張することはできないのです。
具体的に見ますと、例えば父の事業を手伝い、事業の拡大に大いに貢献していたとか、父の看病のため、仕事を辞めて尽くした場合などが該当します。

寄与分は相続開始時に共同相続人間の協議で決めます。協議がまとまらないときは、寄与した相続人が請求するば、家庭裁判所によって寄与分が定められます。

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遺産分割 特別受益

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、特別受益者 についてです。
遺産分割時に時々耳にすることがあります。

特別受益者とは、共同相続人のうち、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻や養子縁組のため、または生計の資本として、生前に贈与を受けたりした人のことを言います。遺贈とは「遺言による贈与」の事です。

分かり易く言いますと、被相続人から遺産の前渡しとみられるようなものを受けていた場合は、その分を本来の相続分から差し引きます。とうい制度です。例えば、家を建ててもらった。住宅取得資金を出してもらった。高額な学費の出資(留学費用や私立医大進学費用など)を出してもらった場合です。

このような場合に相続人間の不公平を是正するための制度です。ただし、贈与された財産が特別受益になるのかどうかについては、被相続人の資産・収入、社会的地位、その当時の社会的通念を考慮して個別に判断すべきものとされています。

ただ単に生活費を援助してもらっていた場合などは対象にならなりと言われています。また、結納金、挙式費用も特別受益にあたらないとされています。

あくまでも相続人間の不公平の是正を目的とした制度ですので、特別受益になるかどうかはそれぞれの事例ごとに判断されることになります。

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遺産分割 認知症

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、遺産分割時に共同相続人の中に認知症の人がいる場合の遺産分割の方法についてです。

遺産分割は、共同相続人の全員で行いますが、共同相続人中に認知症の方がいる場合は、その人は遺産分割について意思表示ができません。

この場合には、法定後見制度を利用します。
まず、認知症の人に後見人を選任し、それらの人が遺産分割協議に参加して意見を述べ協議を成立させる方法です。

この場合に、後見人は、被後見人の法定相続分は確保する方向で協議に参加しますので、被後見人の相続分をゼロにするような協議は成立させることはできません。

こういう場合でも、遺言があれば回避させる事ができたりしますね。
柔軟な遺産分配を望むのであればそれなりに行動が必要です。

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養子縁組

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、養子縁組についてです。
養子縁組は、よく後継ぎがいない場合に検討されます。

例えば、子のない夫婦が、自分の財産や事業を承継させるために養子を迎えることや事業経営者等で、夫婦の子が娘しかいない場合、娘の結婚相手を婿養子にとして迎えることもあります。

相続税対策として養子縁組を検討される方もいるそうです。
ただし、養子の数に制限が加えられています。

その制限とは、①養親に実子がいる場合は、相続税法上の法定相続人に算入可能な数は1人、②養親に実子がいない場合の法定相続人に算入される養子の数は、2人までとなっています。

普通養子縁組の場合は、実親と養親との両方で親子関係が存在する事になります。
また、未成年者が養子縁組(普通縁組)をすると、親権者は養親になります。実親の親権はなくなります。

では、養親が亡くなってしまった場合、親権者はどうなるでしょう?
この場合には実親に親権は戻らず、親権を行使するものがいないことになり、未成年後見人を選任しなければなりません。要注意です。

これに対して養親と離縁をした場合はどうでしょうか。
離縁の場合には、実親の親権が復活することになります。

養子縁組には、複雑な問題が絡んできますので、安易な相続対策の縁組はおすすめできません。

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遺産分割協議 未成年➁

こんにちは。司法書士の三輪です。

本日は、昨日に引き続き、未成年の子にまつわる話しです。

昨日、遺産分割協議時に、未成年の子と親権者が共同相続人になった場合に家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になる記事を書きましたが、このケースで未成年の子が複数人いた場合は、特別代理人は何人選任しなければならないか?とういうケースがあります。

未成年の子が複数の場合は、その未成年の数だけ特別代理人の選任が必要となります。

また、親権者と未成年の子が遺産分割協議をした時、全員を平等に取扱い、現実に不平等にならなかった場合でもダメなのか?という質問もありますが、結果不平等にならなくても特別代理人の選任が必要となります。

なお、父または母と未成年者が共同相続人にならないケースとして、父または母の代襲相続人として未成年者が相続人になる場合が代表例です。

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